本のむし

まんがから小説、自然科学や数学本までレビューを書いています。

読書記録7 『哲学的な何か、あと数学とか』

はじめに

 みなさんはフェルマーの最終定理をご存知でしょうか?

 

3以上の自然数 n について、xⁿ + yⁿ= zⁿとなる 0 でない自然数 (x, y, z) の組み合わせが存在しない

 

17世紀のフランスの大数学者(本職は弁護士で数学は趣味)ピエール・ド・フェルマーが提議した数学の問題なので彼の名前をとってフェルマーの最終定理と呼ばれています。

 

彼はある数学書から着想を得て、その余白にアイデアを残しました。

その一つの難解な問題を彼は自己解決を仄めかしたまま

「私はこの定理に関して驚くべき証明を見つけたが、それを書くには余白は狭すぎる」

と残して亡くなってしまいます。

彼の死後、息子が彼について本を出版することでこの問題が公になりました。

 

残念ながら私の数学のレベルでは理解することが難しく、その理解の階段のステップにも乗っていないかんじです・・・。

問題自体については、さまざまな本や読み物、ネット上の記事で紹介されていますので詳細はそちらへゆずります。

 

哲学的な何か、あと数学とか

 彼の死後、さまざまな数学者、アマチュア、一般人がその証明に魅せられ取り組んできました。名誉のため、高額の懸賞金のため、純粋にその魅力にひきよせられて・・・。ひとつの定理の証明が多くの人を巻き込み、時には人生を狂わせ多くの物語がつくられました。

 

今回紹介する「哲学的な何か、あと数学とか」はその証明の背景にある沢山の人の人生をとても魅力的に物語っています。中世フランスだけでなく、世界に広がり、時代を超えて国を超えて現代に至って証明されるまでの人間ドラマがとても魅力的であっという間に読んでしまいました。

 

天才数学者ガウス、男性社会の中で男装して数学を学んだソフィー、高額な懸賞金を掛けた大富豪ヴォルフスケール。証明への手がかりを発見した日本人数学者谷山と志村、そして最終解決を達成したイギリスのアンドリュー・ワイルズ

 

残念ながら私にはその証明を理解し説明することはできません。

ですが、一つの証明が生んだ400年の人間ドラマは数学好き嫌いに関係なくとても奥深い内容でした。

知的な刺激になること間違いありません。

 

 

哲学的な何か、あと数学とか

哲学的な何か、あと数学とか